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[Taka-Talk]スペシャリストとオールラウンダー

タップに限らず、一つの事柄の専門家として物事に取り組むスペシャリストと、色んな事柄において全てを標準以上にこなすオールラウンダーがいますが、勿論、タップを披露する人も例外ではありません。

分かり易く例を挙げれば、声帯を使って歌を歌い、芝居をし、タップ以外も含めた踊り等でパフォーマンスをするミュージカルダンサーは、オールラウンダー。

それに対して、声帯を使って歌う事も、芝居をする事も、他の踊りを踊る事もせず、タップを踊る事でパフォーマンスするプロのタップダンサーはタップのスペシャリストです。

更に言えば、僕は、タップでジャズを演奏し踊る事でパフォーマンスするジャズタップのスペシャリスト=ジャズタップダンサーです。

声帯を使って歌うという表現はチョット変に聞こえるかもしれませんが、僕らタップダンサーも足を使って歌ってるワケですから、あえて声帯を使って…という表現にしてみました。

ちなみに、僕らプロのタップダンサーは、タップを踊る人なんだからタップを踊るのであれば、ミュージカル等でも当たり前の様に踊れるだろう!とお考えになる方もいらっしゃる様ですが、必ずしもそうではありません。

というのは、タップのスペシャリストであるタップダンサーと、オールラウンダーであるミュージカルダンサーでは、持ち味や表現方法や伝え方が全く異なるからです。

最も異なる点を例に挙げるとすれば、タップダンサーは、基本的に単体を差すので、ソロで踊る事がメインであり、そのダンサーならではの独自の表現、当然ながら高い技術力が必要不可欠であり、お客さんは、○○のタップを観るという事になります。

それに対して、ミュージカルダンサーは、独自の個人的な表現力や技術力の高さではなく、振り付け師や演出家の意向で表現を変えて行くという事になり、単体ではなく、チームやアンサンブルである事が多いんです。

勿論、ミュージカルでもソロで踊る場合もありますが、タップダンサーとは違い、場面ごとの設定で踊り方を変えていきますから、○○のタップを観るというよりも、○○というミュージカルの中に○○のソロがあった!という感じになるんですよね。

つまり、タップダンサーは職人であり、ミュージカルダンサーは役者さんという感じですね。

ちなみに、僕も以前、小さいミュージカルへの出演依頼が来た事がありましたが、自分のスタイルで踊れるのであればまだしも、そうではなかったし、歌を歌えるワケでも芝居が出来るワケでもないので、丁重にお断りしましたよ。

僕は、タップダンサーとしてスペシャリストですが、ミュージカルダンサーとしては全くのド素人ですからね。

逆に、タップを踊るミュージカルダンサーは、タップダンサーとしてはスペシャリストではなく、タップも踊るオールラウンダーであるという事になると思います。

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